住宅ローン特則を利用した個人再生

消費者金融等の借金や住宅ローンを抱えたAさんからの依頼に基づき、住宅ローン特則を利用した個人再生を申立てた事例

消費者金融等から多額の借入をして返済が困難になってしまったAさんから、お電話で以下のような債務整理についてのお問い合わせをいただきました。

借金について、ご相談したいことがあるのですが。

そのお電話で、借入の状況を簡単にお伺いして、後日、当事務所にお越しいただくことになりました。

Aさんの場合、消費者金融や信販会社からの合計500万円程の借入があり、他にも2,000万円の住宅ローンを抱えている状況でした。

住宅を維持することがAさんの一番の希望でしたので、住宅ローン特則を利用した個人再生が可能かどうかを検討することになりました。

住宅ローン特則は、住宅ローンの返済を続けるか又はリスケジュールして返済することを認めることで、住宅を維持しながら個人再生を図ることを可能とする制度です。

Aさんの場合、個人再生の申立要件を満たしており、住宅ローン特則の利用要件も満たしていました。

ただし、Aさんは住宅ローンの返済を数か月間滞らせている状態でした。

返済が困窮するようになると、督促の厳しい消費者金融等に優先的に弁済して、督促がそれほど厳しくない住宅ローンの返済を後回しにしてしまうケースはよく見受けられます。

Aさんのケースでは、住宅ローンの滞納解消が困難だったので、住宅ローン債権者に返済期間を延長するリスケジュールをお願いして、速やかに個人再生をを申立てることになりました。

個人再生は裁判手続なので、いろいろと必要書類を集めたり家計表を付けたりしないといけないのですが、Aさんは前向きに取り組んでくれました。

そのおかげで、スムーズに個人再生の申立てを行うことができ、住宅ローンのリスケジュールによって返済総額は増えますが、毎月の返済額は今までより数万円低くなり、また住宅ローン以外の借金も約500万円から約120万円に圧縮することができました。

その後、再生計画に基づいた弁済を3年間行い、無事に住宅ローン以外の借金を完済することができました。